差別への対処法!
さて、前回トランスジェンダー差別について書きました。
しかし、前回のblogを見ていただいた方で
「どうすればいいのか分からない」と言う方もいらっしゃると思います。
そこでこのサイトを参考に差別に対する対処の仕方を提案したいと思います。
このサイトは主に日本で人種差別をメインに差別の情報を共有したり、差別に関する教育をしたりするNGO団体です(人種差別以外の女性差別、LGBT差別などにも対応しています)。
ARIC(反レイシズム情報センター)と言います。この団体は日本で定着していない「差別にどう対応するか」を提唱しています。
この団体がそのガイドブックを出しています。↑のページからPDFをダウンロードできます。
日本は欧米のように差別禁止法がありません。差別へのブレーキがなく、公人が平気で差別をするためアクセルが踏まれまくっています。
そして、差別を無かったことにし、事なかれとする文化が定着してしまっています。
まず、差別を可視化(見える)ようにしないといけません。そうしないと、差別がなかったことにされてしまいます。
日本社会は差別に抵抗するための基礎「何が差別かそうでないかの社会での共有」「差別にどうすればいいのかの社会での共有」が弱すぎるため、差別を許さない社会になれてません。
そのためには第三者が介入する必要があります。第三者が介入して差別が見えるようになります。差別が見えるようになって初めて対処がつながっていきます。
第三者が差別案件に介入するは大きく分かれて3つあります。
1.カウンター
差別をしたりしている人を直接叱り飛ばしたり、止めさせたりする。
ネット上では差別を批判したりする。
これに関しては差別行為を晒す、見えることの効果がありますし、実生活なら止まる可能性もあります。
しかし、ネットではまず止まらないですし、ネットや実生活では反撃をされてしまうリスクもあります。差別してくる人は権力を振りかざすので抵抗するのに勇気もいります。
僕は在特会や日本第一党のデモや街宣に直接カウンターしたりしますが、徒労感満載です。しかし、もちろん可視化させることはかなりできます。
ネットでも非常に徒労感があります。
2.責任者に任せる
学校や職場やネットで通報して止める作戦です。
しかし、差別を許さない文化が非常に弱い日本では「話し合うべき」と言うことをされる可能性があります。差別されている人がしている人と話し合うなど極めて不当です。
差別に対処することは正義です。しかし、正義をするためには傷ついてしまうのがこの世の習いです。日本は特にそうです。リスクもあります。
そこで第3の道です。
3.記録と通報・発信
実生活であった差別の模様やヘイトデモ・ネット上の書き込みを記録します。
特にネット上で差別をする人はこの記録を嫌います。なかったことにできないのを嫌うのです。
マイノリティが差別に反対するためにも見える化(可視化)が必要です。1と2で考えられるようなリスクもないと言っていいでしょう。
スクリーンショットでも構いませんし、消される可能性があるのなら、魚拓と言って、アーカイブを取る手もあります。
そうして、通報です。
そうなったら、記録して、行政やテレビや新聞やメディアに通報しましょう。
このような差別情報を機関に溜め込ませることにおいて、差別を何とかするために何をすればいいのかわからせることができますし、取り上げてくれる可能性もあります。
僕も差別案件を通報して取り上げてもらったこともあります。できるだけ正確な情報をメディアの人に上げてください。おすすめはbuzzfeedです。かなり取り上げてくれます。buzzfeedの記事の末尾にある記者さんのメアドにメールしましょう。しかし、メディアはまだまだ何が差別かそうでないかを理解できてません。
そこで専門機関ARICへの通報です。
相談にも乗ってくれます(人種差別以外の差別案件も)。差別の専門機関ですからいい解決のためのアドバイスがもらえると思います。
僕は人種差別やトランス差別のヘイトツイートを記録してARICに定期的に報告しています。ARICの報告ページは画像が一つしか貼れないので、魚拓を使って記録しています。できるだけ詳しく情報をつけて相談・通報してください。
ARICに情報が寄せられることによって、彼らは差別に抵抗するための情報をため込み、それを生かすことができます。彼らは小さいですが優秀な集団ですので、差別に関する法律の立法事実を提供したり、メディアにこんな差別があるよと教えることができたり、教育に生かすことが国際的に連携したり、草の根で「何が差別か、差別にどうすればいいか」共有することができます。
ぜひご参考にしてください。
記録もすれば、僕がブログを書いているように発信も可能になります。
前回のブログもトランス差別ツイートを記録して通報する過程でどんな差別かが分かってきたので、書くことができました。
ARICの梁英聖さんはこういいます。「何が差別かそうでないかの見極め・線引き」は差別に抵抗するためにとても大事だと。そうしないと何が差別かわからなくて差別に出会っても対処できないですよね。日本ではそういう教育や情報がないから差別に対処できないのもあると思います。なので前回のブログはそういう情報を知る助けになればと書いたのです。ARICに通報されたものが日本社会に「何が差別かそうでないか」「差別に抵抗する文化・慣習・規範」を定着させることになる可能性は十分にあると思います。
梁さんがARICの活動について熱く語っている動画がありますので最後にどうぞ!
(1:11:20辺りから)